お金の始まりから銀行ができるまで

お金の始まりについて昔お話させてもらってましたが
ちょっとまとめてみました。


昔々、人類の誕生の頃、生活に必要な物をそれぞれのコロニー(共同体)

で生産して交換してました。

ご存じ、物々交換です。



たとえば魚を採る団体、

塩を採る団体、

肉を捕る団体などです。

でも物々交換は不便です。



お互いの欲しいものが合致していれば交換がスムーズに行きますが

そうでない場合は相手の「欲しいもの探し」に走り回らなければなりません

し、探している間に魚や肉は腐ります。



そこで人類は知恵を使います。


何にでも交換できる媒介物を作ろう!


それを持っていれば「それ相当の何かと交換しますよ」という

「共有情報」を取り決めよう!


と動き出しました。

そこで人類は「共有情報(お金)」を「必需性」と決めました。


生活に必要な物、つまり小麦、塩、油、牛、革などです。

ですがこれも取引には不便でした。

腐る、供給にムラがでる、持ち運びに不便です。


そこで人類はまた知恵を使います。


他の「共有情報」ってないかな?

「必需性」だといささか不便になってしまう、

「そうだ!!希少性(皆が欲しがるもの)ならどうだろう?」


希少性(皆が欲しがるもの)・・・そこで生まれたのが「貝殻貨幣」です。

当時タカラ貝は珍しく希少でした。

美しい色艶をしており粒も揃っています。

タカラ貝は女性の性器に似て「豊穣の儀式」などの神事にも利用され


そして何より

ネックレスなどのアクセサリーとして大切にされていました。

そうです。

タカラ貝を多く持つものは「多くの女にモテる」ということです。

多くの女にモテると、その分子孫を繁栄することができるのです。



これはお金として成立しました。

ここから共有情報(お金)は

「必需性」から「希少性」へと変わってゆきます。


希少性とは、それ自体が少ししか存在しない珍しいもので、

「皆が欲しがるようなもの」です。


このことは後の社会を形成する際に多大な影響を与えてゆくことになります。

なぜなら希少性に基づくということは常に大衆に

「足りない」という意識を植え付けるからです。

「足りない」という意識は競争を生み出します。

誰かが豊かになればなるほど別の誰かはより足りなくなってしまうという

サイクルを植え付け、


それを手に入れるためには競争に勝たなければなりません。


奪い合うという概念
です。


(ちなみに、買・資・財・貯などお金に関する漢字に"貝"がついているのは、

この頃の名残です。 )



人類はお金の出現により流通がスムーズになり

飛躍的に文明を発展させていきます。

専門技術を持つ人が現れ、分業を図り、生産がより高度比・効率化されます。


やがて鉱石から金属を採る技術を発達させてきました。

金属は兵器になるからです。


希少性から「競争」を知ってしまった人間は

「闘い」から「戦争」を知ってしまう事にもなったのです。


戦争を始めた人間は、境界線が必要になります。

金属の採掘を軸に領土を奪いあうことに争い、

そして「国」というものを創り上げます。


案の定、タカラ貝は葬り去られ、

貴金属がお金として使われるようになりました。

貴金属は欠けたり擦り減ったりもしない、ずっと持っていても

交換価値は下がりません。

これにより、「ストック(貯蔵)」という機能

がお金に加わります。


しかし金属貨幣にも不便な点がありました。

重さや品質をいちいち調べることに苦労した人間はきちんと

取り決めをすることにしました

そして

重さや質を調べて、金属に刻印を印します。

「鋳造貨幣(コイン)」の始まりです。

これにより「価値の尺度」という機能がお金に加わります。


しかし誰もが鋳造貨幣を作れてしまうと、それが本当に正しいのか

不安になってしまって、やはりまたそこで調べなければなりません。


そこで鋳造する権利を「権威ある者たち」が取得します。

権威ある者とは、国の王様です。


それは

国王達に貨幣を発行するする権利が与えられたということでもありました。

誰にどれだけお金を分配するかを決める権利を「時の権力者達」が

握ることになったということです。

これにより「お金は支配の道具」という概念が人々に浸透します。


当時最も価値の高いお金の単位は「金」でした。

そして流れから金の純度を調べる金細工師達の家には大きな金庫を持つことになります。

金を奪われるのを恐れたお金持ち達は金細工師に金を預けます。

そして受領書を渡し保管の為の手数料を金持ち達からもらってました。

ですので金庫の門番をするのも金細工師業のひとつでした。


人々は欲しいものがあれば受領書を元にわざわざ金貨を出し、

取引をして、受け取った方もまた強盗が怖いので金庫に預けます。


あるとき、人々は気づきます。

わざわざ金貨の出し入れに走り回らなくても、

受領書を渡して取引すればいいのでは?

そうして次第に人々は金貨を使って取引するより、

直接、受領書を使って支払する方が便利で安全であることに気づき、

その受領書が紙幣の役割をすることになります。


こうして人々は金は金庫に預けたまま受領書という

紙幣での取引を始めました。


あるとき、金庫にずっと眠ったままの金を見つめて金細工師はふと思います。


もし預金者が一気に金貨を引き出さなければ、この金貨を担保に紙幣を発行しても

よいのでは??そう考えた金細工師は、

お金に困っている人に紙幣を貸し出し、

その貸し出し料として利子を受け取るというビジネスを始めたのです。

こうして銀行業が始まりました。


この時から、お金は銀行から融資を受けた時につくられるようになったのです。

そこでお金に信用(創造ですが)

という概念が加わります。

よく考えてみれば、預かっている金貨は金細工師の金ではありませんし、

勝手にそれを貸し出しているのですから、これは横領です。

しかし、その方法は皆が銀行を恐れてか、暴ききれず非難されることはありませんでした。


お金が、銀行が発券する紙幣に変わっていくと、これまでのように

国家がお金をコントロールすることができなくなりました。

ここで政府と銀行の間で一つの取引がなされます。

それは「政府が必要とする資金を常に供給する」

その代り

銀行は「お金を発行し管理する」という全権利を銀行が取得することになりました。

そうして、そのような役割と特権を持った中央銀行が各地で誕生したんだとさ。。

ちゃんちゃん

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